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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第2章 知名と長の堕落

「うっせぇなあ。いい加減にしろよ!!」


 間もなく第一体育館、という所でその声は聞こえてきた。
 どうやら声は体育館の裏側にいるようである。
 この学園も性行為が認められていると言う事以外は普通の学校と何ら変わりは無い。
 生徒同士のもめ事だって存在する。


「会長、どうします?」
「聞こえてしまった以上、無視は出来ません。行きますよ」
「はい」


 私は体育館へと続く渡り廊下を降りて、体育館の裏側に回る。
 七緒は戸惑う事なく私に付き従ってくる。
 私の事を慕ってくれるのは嬉しいし、頼りにもなる。
 私が生徒会長を辞める時には推薦したいとさえ思う。
 ただ、この子の私に対する一種の依存のような物が不安ではある。
 今後の事を考えるとこういう現場に出くわした時の対処など知っておいて欲しい。


 体育館の裏側では二人の男子生徒がなにやら揉めているようだった。
 一人の生徒が泣きながら大柄な生徒の胸倉を掴んでいる。


「何やってるんですか!!」


 私の代わりに七緒が声を上げると、胸倉を掴んでいた生徒は驚いたらしくその手を放した。

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