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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第3章 心配と狂乱の堕落

「今からですか?」


 学校に戻ってくると、富子さんが片付けをしていた男子生徒の一人に声をかけてくれた。
 私は自分の不甲斐なさに少し落ち込む。


「そうなの。今日は帰ろうと思ったんだけど、話をしていたらやっぱり参加したくなって」
「分かりました。大丈夫だと思いますけど、一応確認してきますね」


 男子生徒は他に片付けをしている生徒に片付けを頼み、校舎の中に入っていった。
 申し訳ない気分になりながら少しの間待っていると、先程の生徒と、もう一人の男子生徒を連れて戻って来た。


「お待たせしました。本来でしたら会長が案内するのですが、あいにく会長は先程終わった保護者会から直接見学に回っている保護者の方々を案内している最中でして。代わりに副会長の僕で宜しければ案内させていただきます」


 礼儀正しく説明してくれる連れて来られた方の男子生徒。
 副会長と言っていたけれど生徒会か何かのメンバーなのだろうか。


「お願いするわ。いいわよね?中村さん」
「あ、はいお願いします」


 富子さんの問い掛けに思考を止めて答える。
 副会長君はニッコリと笑って頭を下げる。
 とても笑顔が似合う子だなと思う。


「ありがとうございます。ではこちらからお願いします」


 副会長君は腕の動きなどで先導してくれ、まるでエスコートするかのように私達を案内してくれた。

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