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不器用なくちびる

第2章 呼出

それにもし噂を知っていたとしても、
それまでの私が思う「ワルい男子」
というのは…みんなよりちょっと
活発なだけの、ただの子供だった。

たまにちょっと行き過ぎたこと
があっても、島の大人たちが
我が子の様に叱りつけてくれるのだ。

そんな中で育った私は、
同じ年の男子が女子のことを時に
どんな目で見ているかなんて
想像もできなかった。

性の知識なんて全く無かったんだ…


「ここなら誰も来ねーだろ」


「こないだはブラ止まりだったからな」


「見回りとかマジうぜーな」


先週の音楽準備室でも
同じような状況になったけど、
見回りの先生がたまたま来て
助かったのだ。

ただみんな早目に気付いて
逃げてしまったから…
私を取り巻く状況は変わらず。

今日こうしてまた
呼び出されてしまった。

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