夏のシュークリーム
第1章 会えない日のお客様
「咲ちゃんもここに座ったの?」
園田咲は、先週末の花火大会で復縁し心身共に結ばれた松井の恋人だった。
次郎、ミカと同じ高校に通い、黒髪の美しい美人で、気遣いもよく出来る彼女は、今一番松井が会いたい人だった。
「うちにはまだ、来たことないんで」
「それは意外だったな。花火の日以来やりまくってるもんだと思った」
どストレートにかましてくる。
下世話め、松井は心の中で毒づいた。
隣に座ったミカは恥ずかしそうに頬を染めている。
君はこんな奴と付き合っていて、嫌にならないのか、と聞いてやりたい。
「あなたとは違うんで」
眉間に皺を寄せながら、松井が答える。
それに対して次郎は面白がるように
「そう言えばちゃんと聞いてなかった。どうだった?初体験」
この野郎、今聞くか?!
「え!初めてだったんですか?」
びっくりした表情でミカが聞く。
そこに驚く前に君の彼氏をもっと牽制してくれ、と心の中で呟き、代わりに、
「冴木さん、そういうことは女の子が聞いちゃ駄目なんてすよ。」
と大人らしく、先生らしく注意する。
松井は実は、次郎、ミカ、咲が通う高校の図書教諭としてこの春より働いている。
つまり、咲との事、実は禁断のなんちゃら。
「はっ…すみません」
ミカはバツが悪そうに下を向いた。
「びっくりだよねー。
たろちゃん、教えてくれないなら想像しちゃうよ」
追い討ちをかけてくる。
「どうぞご自由に」
なんかもう、一々言い返すのも面倒になる位だ。
松井はため息を一つ吐き、二人が持ってきた袋から箱を出した。
何が入ってるんだろう。
おっかなドキドキ蓋を開けるとシュークリームだった。
2
園田咲は、先週末の花火大会で復縁し心身共に結ばれた松井の恋人だった。
次郎、ミカと同じ高校に通い、黒髪の美しい美人で、気遣いもよく出来る彼女は、今一番松井が会いたい人だった。
「うちにはまだ、来たことないんで」
「それは意外だったな。花火の日以来やりまくってるもんだと思った」
どストレートにかましてくる。
下世話め、松井は心の中で毒づいた。
隣に座ったミカは恥ずかしそうに頬を染めている。
君はこんな奴と付き合っていて、嫌にならないのか、と聞いてやりたい。
「あなたとは違うんで」
眉間に皺を寄せながら、松井が答える。
それに対して次郎は面白がるように
「そう言えばちゃんと聞いてなかった。どうだった?初体験」
この野郎、今聞くか?!
「え!初めてだったんですか?」
びっくりした表情でミカが聞く。
そこに驚く前に君の彼氏をもっと牽制してくれ、と心の中で呟き、代わりに、
「冴木さん、そういうことは女の子が聞いちゃ駄目なんてすよ。」
と大人らしく、先生らしく注意する。
松井は実は、次郎、ミカ、咲が通う高校の図書教諭としてこの春より働いている。
つまり、咲との事、実は禁断のなんちゃら。
「はっ…すみません」
ミカはバツが悪そうに下を向いた。
「びっくりだよねー。
たろちゃん、教えてくれないなら想像しちゃうよ」
追い討ちをかけてくる。
「どうぞご自由に」
なんかもう、一々言い返すのも面倒になる位だ。
松井はため息を一つ吐き、二人が持ってきた袋から箱を出した。
何が入ってるんだろう。
おっかなドキドキ蓋を開けるとシュークリームだった。
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