好きで、好きで、好きで。
第2章 転入生
「小坂悟(さとる)くん、だ。わからないことはみんな教えてやれよ。」
「....小坂です。よろしく。」
低い声で挨拶をして小さくお辞儀をすると、周りがパチパチと手を叩く。
そして一瞬シンーと静まり返った教室に、
「..おぉ..イケメン..」
操が呟く声が案外大きく響いた。
一斉にクラス中の目が自分に向けられ、恥ずかしくなって俯く。
「なんだ、高田は小坂みたいなのがタイプか!」
ワハハ、という担任の笑い声の後にクラス中の笑い声が続いて、ますます操は小さくなった。
眠気なんてすっかり飛んでいってしまっていた。
「まぁじゃ、高田に小坂の案内を頼むか!」
「えっ!?」