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好きで、好きで、好きで。

第4章 初めて

「優くんのだもん、汚くないよぉ?」

そう言いながらベッドから降り、机の上に散乱しているノート類をまとめ、窓に足をかけた。

くるっと振り向いてニコッと笑うと、窓を開け放した向かいの自分の部屋に身を乗り出した。

「じゃあ優くん、お邪魔しました〜」

「…何しに来たんだよ。勉強は?」

「ん〜面倒だからいいや〜!また教えて〜」

操は今度は振り返らずにそう答えると、自分の部屋に戻っていった。

彼女の小さな背中を見送ると、優斗はまた一つため息をついてベッド脇に転がった携帯を手に取った。

メールの返信が来ている。

ー楽しみ。デートプランはよろしくね! 未知

「…」

確認してからパチンと閉めて、優斗は携帯をベッドに放り投げた。

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