好きで、好きで、好きで。
第4章 初めて
「暇だ…」
日曜の昼下がり。
操はゴロゴロしながら呻いた。
「じゃあ寝とけよ。自分の部屋で。」
優斗は自分のベッドでのたうちまわる操に目もくれず、ノートに数式を書きながら強い口調でいった。
「ゆうくん〜あそぼうよぉ〜」
ぐいぐい襟を引っ張ってくる操の手を払いのけ、ため息をつくと、くるりと振り返った。
「うざい、じゃま、帰れ。」
「ふぇ…ひどい、優くん〜」
操は泣くふりをしながら、本棚に新しい漫画を見つけてあっと叫んだ。
そしてベッドから飛び起き、本棚から漫画を抜き出すとおとなしくベッドの上で読み出す。
その一連の行動はまるでリスというか…
(子供か。)
優斗はクスッと小さく笑うとノートにまた向き直った。