好きで、好きで、好きで。
第4章 初めて
ーそして。
紗理奈はあるアパートの一部屋の前に立っていた。
心臓がドキドキして、身体が熱い。
この部屋の前に立つといつもそうだった。
毎日のように過ごしていた部屋。
今になってもまだ身体は正直なのだ。
インターホンも鳴らしていないのに彼女が来たことに気づいていたのか、扉が開いた。
そして…
「やっときてくれた…紗理奈。」
「二宮…」
紗理奈が名前を呟くと、かつて愛した人はふっと嬉しそうに笑って彼女の手を優しく引いた。
「待っていたよ…」
紗理奈の後ろで扉が閉まる。
するとすぐに背中を押し付けるようにして二宮に両手を掴まれ、逃げる余裕もなく唇を奪われた。
「んっ、ふぅ…」
ぬるりと入ってくる舌に足の指先からピリピリと電流が走る。
息つく間もなく、何度も角度を変えて重なる唇。
力が抜ける彼女の手を離すと、今度は紗理奈から二宮の首に手を回していた。
二宮が紗理奈の腰に手を回してゆっくりとスカートの中に手を入れる。
そして、ソコにたどり着くと唇を離していやらしく笑った。