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BL~中編・長編集2~

第3章 ~初恋は実らない~

ん・・? あれ・・・?

「それ以来、そいつのことが気になって仕方なかった。 そのうち気が付いたんだ。
俺は、いつの間にかそいつのことを好きになってたんだ。って。」

「中学に上がった途端、消えた・・・?」

もしかして・・・それって・・・・

「それって、朔夜のことじゃないか?」

「は?」

たぶん、俺のことだよな。

小学生の時、そのくらいの時期に大会で優勝していたし・・・中学に上がった時空手をやめたし・・・

「相手の名前覚えてますか? たぶん、『織田』だと思うんですけど。」

「あ、あぁ・・・確かに、織田だったけど・・・・」

うわ・・・完璧に俺じゃないか。

「菅原って、空手やってたのか?」

「まぁ・・・・俺と敦志は兄弟なんだって、さっき言っただろ? 知ってると思うけど、織田の家は昔からの空手家だから、俺も小さい頃から空手をやってたんだ。」

俺は幼少の時の話と、叔母夫婦に引き取られるまでの話を手っ取り早く武田に話して聞かせた。

「ってことは、やっぱり先輩の初恋の相手って朔夜なんだー。」

「・・・・」

改めて言われると、恥ずかしいな・・・まさか、そんな偶然があるなんて・・・

「で、朔夜は入部する気ないのか? 先輩と一緒に空手ができるって最高だと思うけど。」

「うーん・・・」

また空手をやるのも悪くはないか・・・・

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