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BL~中編・長編集2~

第1章 ~天使がくれた奇跡~

僕が頷いたことに、穣君は驚いたみたい。

目をまん丸くしてた。

「崇・・・どうして、そんなことがわかったの?」

あ、それは、僕も気になる。

「・・・俺も、見たことあるんだよ。」

「「え?」」

見たことあるって・・・天使を?

「俺がまだ小学生だった頃・・・・大好きな祖母がいた。 学校帰りに祖母の家に遊びに行くのが、俺の日課だったんだ。」

そう言えば・・・・・前、崇君のお婆さんは亡くなったって、聞いたことがあったような・・・

「いつものように遊びに行ったら、知らない男の子が祖母の後をついて歩いてた。 その子の背中には、真っ白な羽が生えてた。」

その男の子って、もしかして・・・・

「その子は俺を見て言った。 祖母は二週間後に死ぬことになってる。 だから、この人の魂を迎えにきた。」

僕が天使の方を見ると、彼は僕に向かって頷いた。

君の考えてることは正しいよ。って言うように。

「その子の言葉通り、その日からちょうど二週間後に、祖母は亡くなった。 男の子も、いなくなった。」

崇君が見た男の子は、僕が今見ている男の子と一緒なんだ。

「崇・・・」

「・・・」

本当なんだ。 駿が死んじゃうって。

さっきまで、男の子がふざけて言ってるのかと・・・・心のどこかで期待してた。
でも・・・現実はそんなに甘くない。

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