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BL~中編・長編集2~

第4章 ~Ricordo~

「すみません、失礼なことを・・・」

「気になさらないで下さい。 俺のせいで上手くいかなかったんですし、それに・・・・」

男同士なんて、上手くいかない。 健一は元々ノーマルだったし、俺なんかが釣り合うような人じゃない。

「俺と別れた方が、そいつは幸せになれるんですから。」

このまま、俺のことを忘れて・・・女の人と結婚して、子供を作って、ごくごく普通の幸せな家庭を築いてほしい。

「・・っ・・・じゃあ、失礼します。」

気まずい雰囲気を残したまま、俺は部屋を出た。

「全部お前のことだなんて、一生気付かないんだろうな・・・」

そうだろ? 健一・・・

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「はぁ・・・・」

健一が目を覚ましてから一週間。 もう、引っ越しも終わる。

「もう、健一と会えなくなるのか・・・・」

健一のために買ってきた花束を見て、目尻に涙がたまっていく。

「っ・・バカ、自分で決めたことだろ。」

今更後悔したって、もう遅い。
健一と別れるのが嫌なら、あの時・・・健一の両親に呼び出された時に、はっきりそう言えばよかったんだ。

「はぁ・・・失礼しま・・・」

「俺と、結婚してくれないか?」

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