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BL~中編・長編集2~

第4章 ~Ricordo~

「っ!!」

思わず、反射的にビンタを喰らわせてしまった。

「・・・っ・・てて・・」

「はぁっ・・・はぁ・・ッ・・・」

あ・・・俺、なにやって・・・

「ははっ。 相変わらず、強気なんだな。」

「ッ・・」

俺のことを知ったように言うな。 なにも知らないくせに・・・・

「ま、気が向いたら連絡してくれよ。 これ、連絡先ね。」

「・・・」

男は俺のポケットに連絡先を書いたメモを無理矢理突っ込むと、さっさと帰って行った。

「・・・・すみませんでした。 変なもの見せてしまって・・・」

「あ、いえ・・・気になさらないで下さい。」

ははっ・・・こんな時でも、健一は優しいんだな。

普通、こんなことがあったらキレてもいいのに。

「俺も・・・失礼します。」

これ以上、ここにいるわけにはいかない。

「あの・・・また明日・・・・来てくれますか?」

「!!」

どうして・・・・あんなのを見ても、俺を受け入れようとしてくれるんだ?

健一・・どうして、そんなに優しいんだよ。

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