テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第4章 ~Ricordo~

「帰って下さいっ!!」

「っ・・・」

彼女は、今にも泣きだしそうな顔をしていて・・・・

「もう、健一を苦しめないでっ!!!」

「・・・・」

その叫び声は悲痛なものだった。

「っ・・・き・・・」

「? 健一!?」

「!!」

彼女の言葉に従って部屋を出て行こうとしたら、洋服の端を健一に掴まれた。

「実・・・・さ、きっ・・・」

「!?」

・・・え? 今、俺のこと・・・・

「なに!? 私はここよ!?」

「みさ、き・・・ッ・・」

・・・なわけないか。 隣にいる彼女と俺を間違えているのだろう。

「っ・・・」

彼女に支えられて苦しそうに悶える健一の腕から逃れ、俺は病室を飛び出した。

健一・・・・

「ぅっ・・・」

さようなら━━━━・・・

ストーリーメニュー

TOPTOPへ