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BL~中編・長編集2~

第4章 ~Ricordo~

四コール目くらいで、あいつは電話に出た。

「・・・俺だけど。」

『・・・・もしかして、実咲か?』

こいつ、俺の名前まで覚えてたのかよ。 俺は顔も覚えてなかったのに。

「そうだけど。」

『実咲から連絡もらえるなんて驚きだな。』

ダメ元で連絡先渡したのかよ。 いい迷惑だな、おい。

「今日、暇?」

『あぁ・・・暇だけど。 俺と遊ぶ気になったか?』

別に、お前である必要はない。 健一のことを少しでも忘れられるなら、俺は・・・

「今から俺の家来れる?」

『いいぜ。 住所教えてくれよ。』

聞かれるままに住所を教え、電話を切った。

「・・・」

どうして罪悪感を感じてるんだよ。

もう健一とは別れたんだから、俺が何しようが関係ないだろ?

「・・っ・・・」

昔の俺に戻っただけじゃないか。
毎日のようにいろんな男と遊んで、自由気ままな生活をして・・・

だから、なにも気にする必要はな・・・

「!!」

涙が溢れそうになった時、インターホンが鳴った。

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