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BL~中編・長編集2~

第4章 ~Ricordo~

全部思い出したって聞いて、すごく嬉しかった。
また、俺のことを好きって言ってくれるんだって思ったから。

でも・・・・

「帰れよ・・・」

「実、咲・・・・?」

健一は、俺なんかと一緒にいたらいけないんだ。

「帰れ!!」

「!!」

約束された将来があるんだ。 なにも不自由することなんかなくて、綺麗なお嫁さんをもらえる将来が・・・

「実咲、どうして・・・」

「っ・・・帰れ・・・」

俺とは、住む世界が違う。

「ちょ、待っ・・・」

戸惑う健一を引き剥がし、健一に背を向けて部屋に入った。

「実咲!!」

・・・が、それで健一が帰ってくれるはずもなく、俺の後について部屋に入ってきた。

「勝手に入って来る・・」

「どうしたんだよ?」

「っ・・・・」

ひどく悲しそうな健一。

そんな顔するなよ・・・どうして、俺なんかに・・・

「あれから何ヶ月経ってると思ってんだよ? 俺は、もう・・・健一のことなんて忘れてたんだぞ?」

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