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BL~中編・長編集2~

第6章 ~大切な場所~

でも・・・気が付けば、柴犬さんにつられて、僕も笑っていました。


行ったことのない場所。 見たこともない景色。 食べたことのない食べ物。

柴犬さんは、僕をいろんな所に連れて行ってくれました。

ほとんど屋敷の中で暮らしていた僕にとって、全部輝いて見えて・・・

「ありがとうございます。」

夢のような時間でした。



「よっ。」

「あれ? 珍しいな、シバが男を連れてるなんて。」

「ほんとだ。」

あ、そうでした。 柴犬さんの名前は、シバさん。

さっき、教えてもらいました。

「うるせーな。 そんなことないだろ。」

「そんなことあるって。 いつも違う女の子連れて歩いてるくせに。」

「・・・・」

そ、そうなんですか・・・シバさんって、結構遊び人だったりするんですかね・・?

「ほら、お前が余計なこと言うから、鏡夜に引かれただろ!!」

「だって、事実だし。」

「だな。」

まぁ、シバさんはすごくカッコいいですし・・・出かけている最中も、すれ違う女性がみなさん振り向いてましたから。

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