テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第6章 ~大切な場所~

「セレーナさん・・・」

みなさんは覚えていらっしゃいますか?

カインさんの恋人と噂されていた、プードルのセレーナさんです。

「今更戻って来るなんて、どういうつもりなの? 留架様はもう、あなたのことなんて必要としてないわよ。」

「・・え?」

セレーナさんはそう言うと、僕を庭まで連れて行きました。

「ほら、ここから見てみなさいよ。」

「・・・!!」

茂みの中から、セレーナさんが示した方向を見ると・・・

「あははっ!! くすぐったいよ、白夜!!」

「にゃ~!!」

白夜君と戯れて、とても楽しそうに笑っている留架様が。

「ね? これで分かったでしょ? 留架様は、あなたのことなんて必要としてな・・・」

セレーナさんの言葉を最後まで聞かず、僕は元来た道を全力で駆けました。

「鏡夜君!!?」

途中で三神様とすれ違いましたが、名前を呼ばれても止まらず、そのまま飛び越えてきた塀を越え、ハルさんに抱きつきました。

「鏡夜!?」

「ハルさっ・・・僕・・ッ・・・」

ハルさんを見たら、安心して・・・・見てきたことを、口に出そうと思った時でした。

「鏡夜・・・」

僕の名前を呼ぶ、聞きなれた声が聞こえたのは・・・

ストーリーメニュー

TOPTOPへ