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BL~中編・長編集2~

第6章 ~大切な場所~

シバさんの言動に我慢の限界がきたカインさんが、臨戦態勢に入ろうとした時でした。

「カイン、どこだー? 出かけるぞー。」

「!!」

亮様が、カインさんを呼ぶ声が聞こえました。

「ほら、ご主人様がお呼びだぜ? 行かなくていいのか?」

「・・・チッ・・」

悔しそうに舌打ちをしたカインさんは、僕達を睨み付けると、亮様の声がする方に走って行きました。

「・・ッ・・・」

「鏡夜!?」

一気に緊張が解けて、座り込んでしまった僕の体を受け止めてくれたシバさん。

「ごめ、なさっ・・・」

怖かった。 また、僕のせいで大切な人を失ってしまうんじゃないかって・・・

「ご、めッ・・なさい・・・っ・・」

「鏡夜?」

体が震えだすのと同時に、頭の中に、昔の光景がフラッシュバックしてきました。

『・・・夜・・!!』

冷たい雨の降る夜・・・後ろからは、お父さんとお母さんの声が聞こえて・・・

『・・夜・・・危ないっ!!』

『!?』

明るい光。ブレーキ音。何かがはねられた音。

『お、父さん? お母さん・・?』

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