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BL~中編・長編集2~

第6章 ~大切な場所~

後ろを振り返ると、両親は血塗れの姿で倒れ・・・

「鏡夜!!」

「!!」

肩を揺す振られて、ハッとしました。

「はっ・・・はっ・・」

「息を吐け。 吐くことに集中しろ。」

息を・・吐く? 息ができない。 苦しい・・・

「はぁっ・・・はぁ・・ッ・・・・」

「そう・・上手だな。」

シバさんに言われた通り、息を吐くことだけに集中すると、だんだんと意識がはっきりしてきました。

「大丈夫か?」

「・・はい・・・すみません・・」

昔のこと・・・久しぶりに思い出したな・・・・もし、亮様がカインさんを捜しに来ていなかったら・・・

「とにかく、ここを離れよう。 いつまた誰が来るかわからないし・・・」

「あぁ。 そうだな。」

シバさんはまだ動けない僕を銜えると、家に向かって走り出しました。

「シバの嫌な予感が当たったね。 間に合ってよかった。」

帰り道・・・シロさんに、どうしてあの場所に来られたのか質問しました。

「においをたどって来たんだ。 鏡夜と、ハルのにおいをね。」

大学を休んで・・・僕のために?

「あちゃー。 嫌な空模様だったけど、降ってきたね。」

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