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BL~中編・長編集2~

第6章 ~大切な場所~

最初は小降りだった雨も、しばらくすると強くなってきて・・・最終的には、土砂降りになってしまいました。

「じゃ、俺達はこっちだから。」

「あぁ・・またな。」

途中でハルさん達と別れ、雨でびしょびしょになりながら、シバさんの家に着きました。

「ちょっと待ってろ。 今、タオル持ってくるから。」

「はい・・っくしゅ・・」

さすがに、寒いですね。 十二月の下旬にこんなにびしょびしょになれば、寒くないわけないんですが。

「ほら、体拭け。」

「わぷっ・・」

シバさんは玄関で突っ立っている僕にタオルを投げると、ストーブを点けるためにまた部屋の中に消えました。

「鏡夜、服脱げ。」

「ええ!?」

そう言うが早いが、シバさんは僕の来ている服を脱がしてきました。

「ちょっ・・・」

「風邪引くだろうが。 下は自分で脱いで、体にタオル巻いてストーブの前に座ってろ。 今、なんか飲み物淹れてやるから。」

うぅ・・・僕、シバさんに迷惑かけっぱなしです・・

「はい・・・」

シバさんに言われた通り、服を脱いでタオルを体に巻いて、寒さに震えながらストーブの前に座りました。

「ほら。」

「あ・・・ありがとうございます。」

しばらくストーブの前で震えていると、シバさんが温かいココアを淹れてきてくれました。

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