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BL~中編・長編集2~

第6章 ~大切な場所~

「シバさん。 僕、決めました。」

悩み続けること四日。

ようやく、答えを出した。

「僕・・・シバさんと暮らしたいです。」

少しでも僕のことを必要としてくれる人と一緒に暮らしたい。

僕を必要としてくれる場所で・・・生きていきたい。

「いいのか?」

「はい・・・・シバさんに迷惑かけてしまうのはわかって・・んっ・・・」

シバさんは僕の言葉を遮って、短いキスをしてきました。

「シ、バ・・さん・・・っ・・?」

僕の頬に手を添えたシバさんは、少し悲しそうに微笑みました。

「自分のこと、迷惑だなんて言うな。 言っただろ? お前のことを迷惑だなんて思ったこと、一回もないって。」

シバさん・・・

「あの・・・それで、お願いがあって・・」

「ん? なんだ?」

自分なりに、きちんとけじめをつけたい。

「これを・・・留架様にお返ししたくて・・・」

「あぁ・・・ついてきてほしいのか?」

シバさんの言葉に、黙って頷きました。

この間のこともあって、一人で屋敷に戻るのは、不安なことが多いんです。

「じゃあ、行くか。」

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