テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第6章 ~大切な場所~

「鏡夜君!!」

「「!!」」

名前を呼ばれた隙にカインさんの腕の中から抜け出すと、亮様がこっちに向かって来るのが見えました。

「よかった・・・目が覚めたんだね。」

どうして、こんな朝早くに・・・・

「あのね、鏡夜君・・・鏡夜君は、一ヶ月半の間、意識不明だったんだよ?」

「!?」

一ヶ月半!?

「・・・」

あぁ・・・でも、それで納得がいきました。

あの日から一ヶ月半の時が経っているということは、今は二月中旬。

雪が積もっているのも当然です。

「君のお友達が病院に連れて行ってくれた後、お友達の黒猫君に道案内してもらって、俺達も病院に行ったんだ。
診察が終わった先生に、君の回復は絶望的だ。って診断された。 

でも、留架は諦めなかった。 絶対に鏡夜君は助かるって信じて、先生に点滴の打ち方教えてもらって、家で君の看病をしたり・・・・動けない君の筋肉が固まらないようにって言って、どんなに疲れてても、日中はもちろん、夜中も二時間おきに君の体をマッサージしたり。 暇さえあれば、君に話しかけてた。 時には涙を流して謝ってたよ。
『ごめんね、鏡夜・・・』って。

今日は俺がマッサージする予定だったんだ。」

「・・・・」

あぁ・・・それで、こんな朝早くに・・・

「ねぇ・・・鏡夜君。」

亮様は、驚いてなにも言えない僕を見て、優しく微笑みました。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ