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BL~中編・長編集2~

第8章 ~番外編①~

翔がぴょんぴょんと跳ねるコロに満面の笑みを向けて、抱き上げる。

「ワン!! ワン!!」

コロはまるで肯定するかのように吠えると、ペロペロと翔の顔を舐め始めた。

「うわっ!! コロ、くすぐったいよ~!!」

「………」

そんな光景に妬けてしまう自分がいて…

「はぁ~…」

「…弘樹?」

ため息をついた俺に気付いたのか、翔が不思議そうに顔を覗きこんで来た。

「…なんでもない。」

余計な心配をさせないように、無理に笑顔を作って家に上がる。

「………」

その時俺は、悲しそうな顔をした翔に気付かなかった。



「…ねぇ…弘樹。」

「ん?」

夕飯の後、ソファに座ってテレビを見ていると、翔が話しかけてきた。
振り返ると、不安そうな顔をした翔がこちらをじっと見つめていた。

「…翔?」

「……で…?」

「え?」

声がか細くて聞き取れず、聞き返す。

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