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BL~中編・長編集2~

第8章 ~番外編①~

「…なんで…弘樹は、僕と付き合ってるの…?」

「え!?」

思いもしなかった質問に驚き、声を上げる。

「そんなの、好きだからに決まって…」

「なんで僕のこと好きになったの?」

俺の言葉を遮って、翔は続けて質問してきた。

「急にどうしたんだよ?」

「だって…」

我慢しきれなかったのか、翔はとうとう泣き出してしまった。

「翔!?」

「だって、最近…弘樹、冷たいからっ…僕のこと…本当に好きなのか…ッ…僕に飽きたんじゃないかって…不安にっ…なっ…」

その言葉を聞いた瞬間、俺は自分を責めた。

自分は、好きな人をこんなに追い詰めていたのか━━と。

「翔…」

俺は翔に近づき、ギュッと抱きしめた。

「ごめん。 不安にさせて…」

「…ッ…ぅ…っく…」

翔は俺の背中に腕を回して、ギュッとシャツを握ってきた。

「最近冷たくしてたのは、翔に俺の気持ちを知られないようにするためだったんだ。
翔が思ってる以上に、俺は翔が好きなんだよ。 翔が、コロを可愛がってるところを見るだけで嫉妬してるし…犬に嫉妬するくらい、翔が好きなんだよ。」

俺の言葉を聞いた翔は、驚いて顔を上げた。

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