テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第11章 ~恋の公式~

「いや~、ほんと助かったよ。」

「お前な・・・俺に仕事押し付けすぎだろ。」

会社近くのラーメン屋で、約束通り瑞城に昼飯を奢ってもらうことに。

「仕方ないだろ。 この時期は忙しいし、お前が一番仕事早いし。」

「それを言うなら、お前の方が早いだろ。 将来も有望だしな。」

某有名大学商学部卒業の瑞城。 俺もそれなりに仕事はできる方だけど、瑞城には勝てない。

「お前だって、将来期待されてるだろ。」

「お前ほどじゃない。」

それにしても・・・最近、本当に忙しい。 確かに忙しい時期ではあるけど、これは異常だ。
・・・というのも、上司が勝手に仕事を進めていくので、それに追いつけていないのだ。

「最近、今までにないくらい忙しいな。 俺らは経理の仕事だからまだマシだけど、営業とか残業三昧みたいだし。」

「あぁ。 あいつが勝手に仕事進めてるからな。 尋常じゃないくらい仕事できる人間なんだから、こっちのペースも考えてほしいな。」

威圧感も半端じゃないし、部下の身にもなってほしいものだ。 大半の連中は、あいつからのプレッシャーに耐えられず、日々泣いている。
新人の半分は、三ヶ月もしないうちに会社を辞めてしまう。

「西園寺さんも、少しは手加減してくれるといいんだけどな。」

「あいつの性格からして、それは無理だろ。」

あぁ・・・そうそう。 気付いてる人もいると思うけど、俺の想い人は上司。

西園寺 仁(さいおんじ じん)。 俺の人生を狂わせた男。

「そういえば、最近どうなんだ?」

「別になにも。」

瑞城は、俺とあいつの関係を知っている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ