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BL~中編・長編集2~

第11章 ~恋の公式~

「・・・失礼します。」

俺達の関係なんて、たった一言で終わらせられるようなものだったんだよな。

「おい、小鳥遊。」

「・・・・」

「・・・小鳥遊?」

「へ? あぁ・・・ごめん、なんだ?」

やべ。 ぼーっとしてた。

「大丈夫か?」

「あぁ。 ちょっと考え事してただけだから。」

心配そうに首を傾げる田中に、無理に笑顔を向ける。

「で、俺になんか用か?」

「あ、そうだ。 今夜暇か? よかったら飲みに行かないか?」

飲みに? 田中と? そんなこと、今まで一度もなかったのに。

「いいけど・・・他に誰か来るのか?」

「いや、二人で。」

田中と二人で? 同僚何人かと飲みに行ったことはあったけど、二人きりなんて初めてだな。

「・・・・」

まあ、今まで瑞城以外の同僚と付き合いという付き合いをしてこなかったし、たまにはいいか。 せっかくフリーになったんだし。

「わかった。」

「よっしゃ。 俺、今から外に行ってくるから、今日仕事終わった後に会社の前で待ち合わせな。」

田中の言葉に頷き、自分のデスクに戻った。

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