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BL~中編・長編集2~

第11章 ~恋の公式~

「じゃ、行くか。」

田中について、帰宅途中のサラリーマンであふれる駅前を歩く。

「ここ。」

着いたのは、個人で経営しているであろう広さのバー。
少し裏に入っただけなのに、にぎやかな駅前とは違って、静かで落ち着いた雰囲気の店。

「へぇ~・・・こんなところに、こんないい店あったんだ。」

「気に入ってもらえたようで、嬉しいよ。」

その辺にある、仕事帰りのサラリーマンでにぎわう居酒屋よりも、こういう感じの落ち着いて酒を飲める店の方が好きだ。

「俺の好みにピッタリだよ。」

「よかった。」

瑞城と飲みに行く時は、俺のお気に入りの店に行くのだが・・・・そこの雰囲気とよく似ている。

「いらっしゃいませ。」

「こんばんは、マスター。」

よくこの店に来るのか、店のマスターと仲良さげな田中。

「田中さんがお連れ様とご一緒とは、珍しいですね。」

「まあね。」

カウンターに腰かけ、とりあえず田中のおすすめをいただくことにした。

「どうぞ。」

出てきたのは、淡いピンクのカクテル。

「ん。 うまい。」

「だろ?」

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