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BL~中編・長編集2~

第11章 ~恋の公式~

「これ。 西園寺さんが午後の会議までに仕上げとけって。」

「マジかよ。」

相変わらず、急ピッチで仕事を進めていくあいつ。

おかげで、うちの課の新人連中は、今にも魂が抜けそうな状態。

「・・・・」

「? 瑞城、どうした?」

書類を渡しても、自分のデスク戻ろうとしない瑞城。

「最近・・・田中と仲良いな。」

「ん? あぁ・・・・意外と気が合ってさ。 結構面白い奴だし、いい店紹介してくれたし。」

「・・・そうか。」

わりと気楽に話す俺とは対照的に、瑞城の表情は暗くなっていく。

「・・・・瑞城?」

「こんなこと言うのは、嫌な奴だと思うかもしれないけど・・・気を付けろよ?」

気を付けろ・・・って、田中のことか?

「お前の恋愛話に一番食らいついてきたのは田中だし、最近、やけにお前と仲良くしようとしてるし。」

「たしかに・・・そうだけど・・・」

それだけで、田中のことを・・・・

「まだ、田中が俺達と同類ってわかったわけじゃないけど、なんとなく・・・同じにおいがするんだ。
もし、お前がそうなることを望んでるなら、俺はそれを応援するけどな。」

「いや・・・俺は、別に・・・」

田中とそんな関係になるなんて、想像したことすらない。
っていうか、田中はノンケだろ? 今まで、何人か彼女いたみたいだし。

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