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BL~中編・長編集2~

第11章 ~恋の公式~

吸いかけのタバコの火を消し、いつも通り話すように心がける。

「・・・・」

昨夜のことを田中に聞かないといけないのはわかっているが・・・・いざ、この状況に置かれると、どうやって聞けばいいのかわからない。

「・・・小鳥遊。」

「あ、な、なんだ?」

普通にしないといけないのに・・・動揺しているのが隠せない。

「お前の好きな人ってさ・・・西園寺さん・・・・なのか?」

「なっ・・・」

なんで・・・・どうして、そのことを田中が・・・

「どうして・・・」

「・・昨日・・・・」

驚きのあまり何も言えない俺を見て、田中は昨夜のことを語り出した。




昨夜・・・田中が店に着いた頃、俺は既に潰れてしまっていたらしい。
俺が酒に潰れることなんて今までなかったため、田中はマスターに何があったのか聞いたらしい。

マスターによると、あいつが女と喫煙所から出てきたところに遭遇し、そのことを愚痴っていた。とのこと。
さすがに、あいつの名前までは出していなかったようだが、聞いた感じでは、俺は相当へこんでいたらしい。

名前を出していないなら、どうして田中は・・・

で、その後が問題だったようだ。

店で完全に潰れていた俺は・・・・何か呟きながら泣いていたらしい。

不思議に思って耳をすませてみると・・・

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