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BL~中編・長編集2~

第11章 ~恋の公式~

なにもなくてよかった。

「安心したか?」

「・・・ん。」

昨日のことをすべて話してもらい、パニック状態だった頭もだいぶ落ち着いた。

「こんなことになるなんてな。 さっさと、自分の気持ちを伝えておけばよかった。」

「へ?」

こいつの気持ちって・・・・

「いいか、よく覚えておけ。 大学生の時・・・お前に会った瞬間から、俺の心はお前のものだ。」

俺に・・・会った瞬間? それって、一目惚れってことか・・?

「・・っ・・・」

で、でも・・・・それなら、どうしてセフレなんか・・・

「なんで・・・セフレだったんだ? 言ってくれれば、俺・・・」

「お前は元々ノーマルだろ。 だったら、体の方から俺に溺れさせる方が確実だと思った。 だから、セフレという関係を続けながら、お前の気持ちが俺に向くのを待っていた。
それに・・・お前は気付いていないと思うが、俺はお前と関係を持つようになってから、お前以外の人間と寝ていない。」

え・・・は・・・・?

「他のセフレがいるように見せかけていただけだ。」

「はあ!?」

なんでそんなことしてたんだよ!! おかげで、どんだけ俺が悩んだと・・・

「その方が、お前の気持ちが俺に向いた時、気づきやすいと思った。 冷たく接していれば、お前は我慢ができなくなって、俺に気持ちを打ち明けてくるだろうと。」

それが・・・俺には裏目に出てしまったのか。

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