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BL~中編・長編集2~

第12章 ~捨て犬拾いました~

チッ…こんなとこに放置してたら、凍死しちまうよな…

『…仕方ねぇな…よっ…』

倒れてしまった男を持ち上げて、改めて思ったが…

こいつ、軽すぎじゃね?
たしかに、やせ細ってるとは思ったけど…これはヤバいだろ。
どう考えても、その辺にいる女より軽い。 服も薄着だし…

『………寒っ…』

ま、いいや。 とりあえず、連れて帰ろ。 明日、ここに死体が転がってたら気分悪いし。

「ほら。 飯食い終わったなら、風呂入って来い。」

「………うん。」

みたいな感じで、こいつを連れて帰ってきたわけ。

「…ん? どうした?」

脱衣所に行って、すぐに戻ってきたあいつ。

「……湿布…」

あぁ…背中に貼ってある湿布取ってほしいのか。 自分じゃ届かないんだな。

「ん。 こっち来い。」

「………」

食後の一服していた手を止め、タバコを灰皿に置いてから、背中に貼ってある湿布を取ってやった。

「取れたぞ。 風呂入って来い。」

「……うん。」

再びタバコを手に取り、風呂場に向かうあいつの背中を眺める。

だいぶマシにはなったけど…まだ、痣残ってるな…

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