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BL~中編・長編集2~

第12章 ~捨て犬拾いました~

「……うん。」

いやいや、「うん。」って…

「ははっ。 お前、その「うん。」はまずくないか?
『寒いのに待たせんな!! さっさとしろ!!』って意味の「うん。」だぞ?」

「ぁっ…えっと…」

俺の言葉に、少し慌てる様子を見せたあいつ。
いつも何の反応も見せないあいつが慌てているのを見るのは、とても新鮮で…

「…ッ…」

少し表情を浮かべたあいつに、心臓が重く脈を打った。

「わかってるよ。 そんなこと思ってないことくらい。」

「……うん。」

いやいやいやいや。 落ち着け、俺。
相手は男…しかも、確実に未成年だぞ? 俺はゲイじゃないし、犯罪者になるつもりもない…はずだろ?

「んじゃ、どっか痛かったら言えよ?」

「…うん。」

いいように殴られたあいつは、頭にもいくつかたんこぶができていたので、そう声をかけてから髪を乾かし始めた。

うん。 初日に比べたら、たんこぶもだいぶ小さくなったな。

「ほい、終わり。 湿布持って来いよ。 貼ってやるから。」

「…うん。」

立ち上がり、湿布を取りに行くあいつは、風呂上がりのせいかドライヤーが熱かったのか、若干頬が赤くなっていて…

「……おいおい…」

色気があった。

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