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BL~中編・長編集2~

第12章 ~捨て犬拾いました~

「ほら、行くぞ。」

「……うん。」

次の日。 まだ買い物に行くことを渋っているあいつの手を引き、半ば強引に買い物に連れ出した。

「人がたくさんいるだろうから、俺から離れるなよ。 迷子になるから。」

「…うん。」

あいつの持っている服は薄着ばかりだったので、俺の上着を貸してやったんだけど…

「ぷっ…」

小柄で細身のあいつにはぶっかぶかだった。
上着が大きくて困ってるあいつも、可愛いからいいんだけどさ。

「………?」

俺が急に笑ったのに驚いたのか、あいつは俺の顔を見て不思議そうに首をすこーーーしだけ傾げた。

「なんでもねぇよ。 ほら、降りるぞ。」

「…う、うん。」

電車を降り、あいつがはぐれないよう注意しながら、洋服屋が何店か並んでいる通りに向かう。
少し朝早いせいか、人通りはそんなに多くない。

「混んでくる前に、買い物終わらせるか。」

そう言って、一番近い店にあいつの手を引いて入店。
細身のあいつに似合いそうな服を選んでは試着させ、あいつが気に入ったような顔をした服を買う。ということを、二時間ほど繰り返した。

「ふぅ…こんだけ買っておけば平気だろ。」

買い物が終わった頃には、すっかり昼。 人通りも増えてきたし、腹も減った。

「昼飯食って帰るか。」

「…うん。」

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