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BL~中編・長編集2~

第12章 ~捨て犬拾いました~

もう一度駅周辺を走り回り、交番とかにも行ったけど、あいつは見つからなかった。
ダメ元で公園に戻ってみたりしたが、どこにもあいつの姿はなかった。

「はぁ…ッ…はっ…」

やっぱり…出て行ったのか? もう二度と会えないのかよ…

あらかた近所を捜し回り、もうダメだと思って家に帰ろうとした時だったんだ。

「…!!」

あいつが…あいつがいたんだ。
息を切らせて…何故か缶コーヒーを握りしめて、数十メートル先に。

「!!」

見失わないうちに…と思って走り出すと、あいつも俺に気が付いて、泣きながら俺に向かって走り出した。

「はぁっ…はぁ…ッ…見つけた…っ」

「ぅっ…ぅ…ッ…」

人目も気にせず、あいつを思いっきり抱きしめる。
あいつも、俺の背中に腕を回し、ギュッと抱きついてきて…ちっちゃい声で言ったんだ。

「会えて…よかった…ッ…」

って。

…なんで急にいなくなったのか聞きたかったけど、お互い息を切らせていたし、あいつは泣いてる上に、ここは往来なので、家に帰ることにした。

あいつの肩を抱きながら、家までゆっくり歩く。

「風呂…入るか? 汗かいてるだろ?」

走り回ったせいで、二人とも汗だく。

「………」

部屋に入ってそう声をかけたが、あいつは俺の腕にしがみついたまま離れない。

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