BL~中編・長編集2~
第12章 ~捨て犬拾いました~
それで、トイレに行く前に俺が寒いって言ったのを聞いて、少ない所持金から、俺に温かい缶コーヒーを買うことにしたらしい。
トイレから出て自販機を探したんだけど見つからなくて、しばらくウロウロした後にやっと見つけて、缶コーヒー買って公園に戻ったんだって。
でも…戻った時、俺の姿も荷物もなくて、俺のこと捜してあちこち走り回ったんだって。
帰ろうにも、俺の家の場所知らないわけだし…
当然だ。 こいつは、俺の住所も名前も、何も知らないんだから。
「俺のために…缶コーヒー買ってくれたのか…?」
「……うん。」
話を聞き終わった時…俺、泣きそうになるのを我慢するのでいっぱいいっぱいだった。
「今日の買い物…楽しかったか?」
「……うん。」
俺の腕の中で、小さく頷くあいつ。
もう、なんか…胸がぎゅーってなって、あいつを力一杯抱きしめた。
「…そうか…ありがとう。」
ほんとは、あいつと離れるのが嫌で風呂を上がりたくなかったんだけど、これ以上入っていたら本当にのぼせそうだったので、渋々出た。
風呂から出たあいつは、今日買ったばかりのパジャマを少しだけ嬉しそうに着ていて、その姿を見ているだけで俺まで嬉しくなった。
「ほら、こっちおいで。」
ソファの前に座り、両手を広げてやると、あいつは缶コーヒーを持って遠慮がちに腕の中に入ってきた。
「……これ…」
「もらっていいのか?」
あいつが頷いたのを確認し、すっかり冷たくなった缶コーヒーを受け取る。
寒い部屋に放置していたせいか、冷蔵庫に入れていたみたいにキンキンに冷えている。
「…冷たく…なっちゃった…」
「大丈夫。 風呂上がりだから、このくらい冷えてる方がちょうどいい。」
トイレから出て自販機を探したんだけど見つからなくて、しばらくウロウロした後にやっと見つけて、缶コーヒー買って公園に戻ったんだって。
でも…戻った時、俺の姿も荷物もなくて、俺のこと捜してあちこち走り回ったんだって。
帰ろうにも、俺の家の場所知らないわけだし…
当然だ。 こいつは、俺の住所も名前も、何も知らないんだから。
「俺のために…缶コーヒー買ってくれたのか…?」
「……うん。」
話を聞き終わった時…俺、泣きそうになるのを我慢するのでいっぱいいっぱいだった。
「今日の買い物…楽しかったか?」
「……うん。」
俺の腕の中で、小さく頷くあいつ。
もう、なんか…胸がぎゅーってなって、あいつを力一杯抱きしめた。
「…そうか…ありがとう。」
ほんとは、あいつと離れるのが嫌で風呂を上がりたくなかったんだけど、これ以上入っていたら本当にのぼせそうだったので、渋々出た。
風呂から出たあいつは、今日買ったばかりのパジャマを少しだけ嬉しそうに着ていて、その姿を見ているだけで俺まで嬉しくなった。
「ほら、こっちおいで。」
ソファの前に座り、両手を広げてやると、あいつは缶コーヒーを持って遠慮がちに腕の中に入ってきた。
「……これ…」
「もらっていいのか?」
あいつが頷いたのを確認し、すっかり冷たくなった缶コーヒーを受け取る。
寒い部屋に放置していたせいか、冷蔵庫に入れていたみたいにキンキンに冷えている。
「…冷たく…なっちゃった…」
「大丈夫。 風呂上がりだから、このくらい冷えてる方がちょうどいい。」