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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

『頑張れ。』

一番前の席に座っている京ちゃんに助けを求めるけど、面白そうに笑ってるだけで、助けてくれないし。

『ッ…え、えっと…り、立候補とかありませんかっ…!!』

勇気を出して聞いてみたけど、みんな、新しくできた友達とおしゃべりするので忙しくて、誰も僕の言葉なんて聞いてない。

『…っ…あ、あのッ…』

どうにかして、みんなに意見を聞こうと思ったんだけど、やっぱり、みんなは僕の言葉なんか聞いてくれない。

『ッ…』

どうしよう…どうすればいいのか、わからな…

『……っ…』

で、我慢できなくなって、泣きそうになった時…

『はーい。』

『!!』

一颯君が、手を挙げてくれたんだ。

『みんなさ、何でもいいみたいだし、くじ引きにしない?
ちなみに、くじはこっちで用意しました。』

『『おおー。』』

じゅ、準備早いな…
クラスのみんなも、一颯君の言葉に耳を傾けてるし…

『………』

すごいな…一颯君…

『みんな、何でもいいならさ…これでもいいんだよね?』

そう言って、一颯君が取り出したくじには、「クラス委員長」と書かれていた。

『『うっ…』』

それで、たぶんみんなクラス委員長はやりたくなかったんだろうね。

『はいっ!! 俺、美化!!』

『俺、図書!!』

『!!!?』

みんな一斉に挙手して、自分がやりたい委員を言ってきた。

そんなもんだから、僕はみんなの名前を黒板に書くので大忙し。

『あはは!!』

チラッと一颯君を振り返ると、彼は友達と楽しそうに話していた。

その時、僕の中で、何かが音を立てて変わったんだ。
何なのかはわからなかったけど。

『おー。 まだやってたのか。』

HRが終わる20分前になると、先生が教室に入って来て、名前が書かれている黒板を見た後、僕に席に戻るよう指示した。

『なんだ。 クラス委員長が決まってないじゃないか。 まだ決まってない奴は誰だ?』

先生の言葉に手を挙げたのは、一颯君。僕。そして女子生徒二人。

『今日はもう他のことやらないといけないから、決めないけど、後で四人で話し合って、誰がやるか決めておけよ。』

それで、その後は授業のこととか、行事とかの説明があった。

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