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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「どうした? 珍しくため息なんかついて。」

「……なんでもないよ。」

京ちゃんに心配されちゃった。
あんまり心配かけたくないから、気を付けなきゃ。

「ほら、席着けー。」

「あ、先生来ちゃった。 沖田君、また後でね!!」

「うん。」

先生が教室に入って来ると、京ちゃんもあの女の子も、自分の席に戻って行った。

女の子がいなくなり、僕と目が合った瞬間、一颯君の顔から笑みが消えて…

「…っ…」

いつもの冷たい表情になった。

「今日は欠席なしだな。 じゃあ、今日も一日頑張るように。」

朝のSHRが終わると、すぐに教室が騒がしくなった。
みんな、今日の授業のことや、誰がカッコいいとか、可愛いとかいうことを話して盛り上がっている。

「おい、一颯!! これ見ろよ!!」

「は? なんだよ、これ?」

それは一颯君も例外ではなく、友達と雑誌を見ながら楽しそうに話し始めた。

「…………」

この席、友達作りにくいんだよね…
前も隣も女子だし、席は一番後ろだから、当然ながら後ろの人はいないし。

だから、一颯君とは友達になりたかったんだけど…

「っ…」

無理…だよね…? 僕、嫌われてるみたいだし…

「………はぁ…」

部活決めて…それで、同じ部活の子と仲良くなれるといいな…

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