テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「あ、ご、ごめん…」

「なんで謝るんだよ。」

もしかして、名前で呼ばれるの嫌だったかな…って思ったら、反射的に謝っていた。
そんな僕を見て、ポンポンと頭を撫でてくれた一颯君。

そしたら、また心臓が脈を打つのが速くなって…

「?」

なんでだろ?
別に、京ちゃんに頭撫でられたりしても大丈夫なんだけどなぁ…

「俺もお前のこと、名前呼ぶから。 それでプラマイゼロな。」

「う、うん!!」

変なの…体の調子でも悪いのかな?
念のため、今日は早く寝よう。

「で、入る部活決めたのか?」

「あ、ま、まだ決めてなくて…で、でも、できれば音楽系に入りたいな…とは思ってるんだけど…」

ジャズ部に入りたいな…って思ってるなんて言ったら、嫌がられるか…な?

「じゃあ、一緒にジャズ部入ろうぜ。 俺、お前と一緒に演奏したいし。」

「ぇ…」

いい…の?
僕と一緒に演奏したいって、ほんと?

「嫌か?」

「う、ううん!! 僕も、一颯君と一緒にジャズやりたい!!」

強く、そう断言した僕に、一颯君はとても…本当に優しく微笑んでくれた。
そして、また僕の頭をポンポンと、数回撫でて言ったんだ。

「よかった。」

って。

「っ…」

少しは落ち着いてきていた僕の心臓が、聞こえてしまうのではないかというくらい、大きな音を立てて脈を打ち始める。

「これからよろしくな。」

「う、う、うんっ!!」

僕、どうしちゃったんだろ?
なんか変なものでも食べたかなぁ…

帰り道…一颯君と駅まで歩きながら、僕はずっと首を傾げていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ