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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「あ、の…い、委員どうしよう…か?」

「あぁ…どうする?」

「詩~音。」

「京ちゃん、どうしたの?」

「っ!!///」

京ちゃんがこちらにやって来ると、高羽さんの友達はびっくりしたのか、ビクッと反応し、京ちゃんの顔を見て真っ赤になると、顔を伏せてしまった。

「今日の昼休み、学食行こうぜ。」

「うん、いいよ。」

やっぱり、京ちゃんはモテるなぁ…
まだ学校始まって二週間も経ってないのに、もうクラスにファンの子できちゃった。
そのうち、女子の間で争奪戦が始まるんだろうなぁ…

「あ、あのねっ…私は、沖田君と一緒なら、クラス委員やってもいいかな…って思ってるんだけど…」

あ、忘れてた。 クラス委員決めるんだった。
それにしても…高羽さん、ずいぶん積極的だな…
一颯君も気づくんじゃないかな?

「ありがとう。」

「じゃ、じゃあ…」

一颯君が高羽さんの言葉にお礼を言ったから、一緒にやるんだ…って思った。
そしたら…何故か、心臓が「ツキン」と音を立てて痛くなって…

「?」

なんでだろう? 僕、変なものでも食べた? え? まさか、病気とか?

なんてことを考えながら、「うーん…」と唸っていたら、隣から信じられない言葉が聞こえてきた。

「でも、俺はクラス委員やるなら詩音と一緒がいいな。」

「…え?」

「……へっ!!?」

まあ、笑顔でお礼を言われた高羽さんは、一颯君とクラス委員できると思ってたんだろうね。
断られたことに、目をまん丸くしてた。
もちろん、お友達も一緒に驚いてたよ。
なんか、僕はよく知らないんだけど…女子の間では、一颯君は王子様みたいな存在なんだって。
いつも爽やかな笑顔浮かべてるし、女子に対しても優しいし。 それに、言葉遣いも優しいんだってさ。
だから…高羽さんやそのお友達からすれば、一颯君は絶対にクラス委員をやることを断らないと思ってたのに、予想に反して断られてしまったから、ものすごく意外だったんだと思う。

いや…それ以上に、僕が驚いてるんだけどね…

「え? で、でも…こ、九重君は、ほら…人前に出るの苦手みたいだったし…」

「だとしたら、尚更人前に出ることに慣れないと。 社会に出たら、人前で話す機会はたくさんあるわけだし。」

「だ、だけど…」

相当一颯君と一緒にクラス委員をやりたいのか、なかなか食い下がらない高羽さん。

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