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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「それと…クラスの女子に二人の悪い噂流してたのもお前だろ? 二人に、自分以外の友達ができないようにさ。」

「「え…?」」

一颯君は携帯を操作すると、また違う画像を二人に見せた。
それは、クラスの女子と思われる子とのLINEで…
ありもしない二人の悪口が、たくさん書いてあった。

「もう一人…詩音を呼び出す度に、その子を連れて来るのは、一柳とうまくいかないように…ってことも、バレバレ。」

「………まりあちゃん…どういうこと…?」

「ち、違う!! そんなわけないでしょ!?」

そっか…だから、何も言わないのに、この子を毎回連れて来たんだ。
でも、本当に京ちゃんとの仲を邪魔するつもりで…?
だって、高羽さんは一颯君に一途……じゃないのか。 さっき、良子ちゃんの彼氏を口説いてるLINE見たし…

「それに…友達の彼氏だけじゃなくて、他にも何人か口説いてる男子いたんだろ?」

え…まだいたの? 何人かってことは…一人や二人じゃないってこと?

一颯君に証拠の画像を見せられた友達二人は、完全に泣き出してしまったし…
高羽さんは必死に弁解しようとしてるけど、決定的な証拠を見てしまった今、信憑性の欠片もない。

「これは、ほんとに違うの!! 二人とも、誤解してるだけで…」

「なにを!! 誤解してるって、なにを誤解してるのよっ!?」

「っ…ひどいよ…まりあちゃん…」

結局…二人は高羽さんの言葉に耳を貸すこともなく、泣きながら教室から出て行ってしまった。
高羽さんは引き止めようと必死になってたけど、二人は振り返ることなく、教室に残された高羽さん。

二人に見捨てられた高羽さんは…呆然としていた。
口がパクパク動いているけど、何を言えばいいのか…この状況をどうすればいいのかわからない様子。

「ど、して…一颯君…私にだけ優しくしてくれたのに…」

「そんなことない。 お前が、気づいてなかっただけだ。」

やっと言葉を口にした高羽さんは…今にも泣きそうな顔をしていた。 今度は演技なんかではなく、本当に。

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