テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「でも…私とだけ一緒に…」

「だから…お前が勝手に一緒にいただけだろ。 他の女子に近づく隙も与えないで、休み時間も部活中も。」

僕にも近づく隙を与えてくれなかったけどね…それは、一颯君の中学からの友達も一緒だったみたいだけど。

「…っ…な、名前で呼び合ったり…」

「お前が一方的にな。 それに、名前で呼び合うくらい、俺と詩音はずっとそうだし。 お前が俺の名前呼び始めたずっと前からな。」

そういえば…一颯君から高羽さんに声をかけてるところは見たことないな。 高羽さんの名前を呼んでるところも。

「クラス委員だって…一緒に…」

「俺は詩音とやりたいって言っただろ。 なのに、詩音を呼び出して無理矢理自分と代わらせて…」

「…し、知ってた…の…?」

もしかして…一颯君、あの時の話聞いて…

高羽さんに初めて呼び出されたあの日の会話を、全部聞いてたのかもしれない。
僕が…高羽さんに頼まれた良子ちゃんに、責められていた会話を全部。

「あぁ。 さっき、お前が詩音を罵倒してたのも聞いてた。
ま、でかい声で喚き立ててくれたおかげで、居場所がすぐにわかったけど。」

じゃ、じゃあ…僕が自分の気持ちを高羽さんに言ったところは、聞いてなかったのかな…?
だから、さっき…直接僕に確認してきたんだ。

「い…ぶき君…本当に、そいつと付き合うの…?」

「俺は詩音が好きだからな。 まぁ、詩音さえよければ…だけど。」

「ぅええ!? 僕!?」

ここで僕に話を振りますか!? そ、そりゃあ、一颯君と付き合えたら嬉しいけど…というか、お、男同士で付き合うって、どんな感じなんだろう?
普通に男女で付き合うのと変わらないのかな? そもそも、僕、誰かと付き合ったことないからわからないけど…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ