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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「っ…もういいわよ!! あんた達二人で、ホモにでもなんにでもなっちゃえばいいじゃないっ!!
あんたなんかよりカッコいい人は、たくさんいるんだから!!」

「へぇ…例えば?」

自分の物にならないとわかった途端、高羽さんの態度が急変した。
普段「一颯君♪」みたいな感じで、名前の後に音符やらハートやら見えていたのに、今は「あんた」呼ばわり…

失恋した女の子って……怖っ…

「神崎先輩とか、原本先輩とか他にもたくさ…」

「俺は勘弁だな。」

「俺も~。」

「「!!」」

高羽さんの言葉を遮って教室に入ってきたのは…
楓先輩と棗先輩だった。

な、ななななななんで二人がここに!? っていうか、今オーディションの真っ最中なんじゃ…部長と副部長がいなくなって大丈夫なの!?

「俺、そんなに性格怖い子と付き合えないし。」

「俺は、楓以外の人間興味ないしね~。」

後ろから楓先輩に抱きつき、チュッと短いキスをした棗先輩。
まあ、当然のことながら、楓先輩の拳が棗先輩の鳩尾に入ったわけですが。

「!?」

まさかのカミングアウトに、高羽さん目を見開いて、ポカーンってなっちゃった。
そりゃ…うん。 まさかこの二人がね…付き合ってるなんて、思いもしないよね…

「まあ、こいつ俺にメロメロだから。 残念でしたってことで。」

「楓も俺にメロメロだか…うっ!!!?」

あ…また、棗先輩の鳩尾に楓先輩の拳が…
や、やっぱり、二人とも仲いいなぁ…あはは…っていうか、そう言ってる先輩達、すごくカッコいいや。

「な…なん…」

高羽さん、完全にパニック。 もう、言葉も出てこないみたい。
お腹を押さえて咳き込んでいる棗先輩を冷たい目で見た楓先輩は、そのまま高羽さんに向き合った。

「お前さ…そんなに可愛くもないんだし、せめて性格くらい良くしないと、この先彼氏なんかできるわけないぞ? 中の下くらいの顔してるんだからさ。」

「なっ…」

「「…………」」

あ…い、言っちゃった。
その…僕は、可愛いとかよくわからないんだけど…
京ちゃん曰く、「お世辞にも、可愛いとは言えない。」とのこと。

「な、なによっ!! あんた達がホモだって、みんなに言いふらしてやるんだから!! みんなに軽蔑されるといいわ!!」

高羽さんは、そう捨て台詞を言って…

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