テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第15章 ~ほんとに好きなのは…?~






「よう、莉央。 いつになったら俺のものになるんだ?」

「ほんとしつこい‼」

「ッ…」

次の日。
いつものように生徒会長が莉央を口説きにやって来た。

「大智? どうしたんだ?」

生徒会長の顔を見たら、昨日のことが鮮明に脳内に浮かび上がってきた。

「大智…? なんか、顔色悪くない?」

「ぁ…えっと…な、なんでもないから…」

莉央の言葉に何とか答えるけど、この人を前にして、いつものようにいられない…

チラッと生徒会長を見ると、冷たい目で俺を睨み付けていて…

『お前、邪魔なんだよ。』

昨日言われたことが脳内で再生された。

「ッ…」

だけど…俺は、莉央が端正な顔立ちをしているからとか、漫画みたいな学園アイドルのような王道を歩んでるから一緒にいるんじゃない。
本人はとても気さくで話しやすく(俺様だけど…)、なにより自分の考えをしっかり持っているから尊敬してるし、一緒にいて楽しい。

だから……俺は、莉央と一緒にいたいんだ。 他人の意思なんかで、莉央との友情関係を引き裂かれたくない。

「なあ、莉央。 俺と一緒に昼飯食おうぜ。」

「嫌に決まってるだろ!! 俺は大智と昼飯食べる約束してるんだよ!!」

「は? そいつと?」

莉央の言葉を聞いて、視線を俺に移した生徒会長。
冷たい目で睨まれて、俺は何も言えなかった。

「なんでそんな平凡な奴と…」

「「あーーーー!! また会長が莉央のこと独占しようとしてる!!」」

「お前ら…」

いつものごとく、生徒会長御一行がやってきた。 声を上げているのは、双子の役員。

た、助かった……のか…?

「ずるいですよ、生徒会長!! また抜け駆けして!!」

「ほら、莉央!! ご飯食べに行こ!!」

「え、ちょ…俺は大智と…」

「ぁ…」

何も言う暇もなく、莉央は双子に連れて行かれてしまった。
その後を、生徒会長が面倒そうに追いかけて行く。

「…………」

はぁ……まあ、お昼を邪魔されるのは今回が初めてじゃないし…

「佐助の所にでも行くか…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ