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BL~中編・長編集2~

第15章 ~ほんとに好きなのは…?~

「ウ~…」

「佐助…?」

どうしたんだ? 佐助が唸るなんて、そうそうないのに…

しばらく佐助が唸っていると、木の後ろから人が姿を現した。

「…ぇ………」

その人物に、俺は言葉を失った。

「……生徒…会長…?」

なんで、生徒会長がここに…莉央とか生徒会の人達でご飯食べてるんじゃ…

まさかの人物の登場に、思考が停止してしまい、動けない俺。
佐助は変わらず生徒会長に向かって唸っている。 それにも関わらず、生徒会長はゆっくりとこちらに近づいてきた。

「……………」

「ワン‼」

それ以上近づくなと言わんばかりに佐助が低い声で吠えると、ようやく足を止めた生徒会長。

「……………」

「……………」

そして、その場所から動くこともなく無言。 つられて…というか、恐怖で口を開けず俯いてしまう俺。

む、無言めっちゃ怖っ…で、でも、なに話せばいいかわからないし…莉央のこと聞いたら地雷踏みそうだし、かと言って、このまま無言なのもめっちゃ怖いし…

「…………」

ど、どどどどうしよう…

「…………その犬…」

「……へっ?」

どうすればいいのかわからずパニックになっていたら、生徒会長が口を開いた。
驚いて顔を上げると、生徒会長は唸っている佐助のことをじっと見ていて…

「名前はなんていうんだ?」

「え!? え、えっと、佐助…です…」

「………そうか。」

佐助の名前を教えると、また無言になってしまった生徒会長。

な、なんだろう? 佐助のこと気になるのかな?
っていうか、生徒会長って犬に興味あるんだ……じゃなくて、なんで生徒会長がこんなところにい…

「お前…いつもここで昼飯を食べてるのか?」

「へっ!? ぁ、はい‼ さ、最近は莉央と一緒に食べれないので、ここで佐助と…」

ここまで口にして、ハッとした。

ヤバッ…墓穴掘った‼

「………………」

案の定、莉央の名前を出した途端生徒会長は再び無言に。

うわー‼ 俺のバカ‼ 墓穴掘ってどうするんだよ‼‼

「あ、あのっ…」

「…そろそろ昼休みが終わる。 授業に遅れるなよ。」

とにかく、何か言わなきゃって思って口を開いたんだけど、生徒会長の言葉によって遮られてしまった。

俺にそう忠告して校舎に向かって歩き出す生徒会長。

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