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BL~中編・長編集2~

第15章 ~ほんとに好きなのは…?~

「……座ってもいいか?」

「へっ?」

急に口を開いた生徒会長。 突然のことに反応できず、間抜けな声を出してしまった。

「ぇ…あっ、ど、どうぞ‼」

慌てて返事をすると、生徒会長は少し距離を置いて腰を下ろした。
そして、何を言うこともなくまた無言。

き、気まずい…こんな空気の中、弁当食べていいのかもわからないし…でも、俺一人だけ食べたら失礼だし…

「どうした? 食べないのか?」

「えっ…あ、いや………えっと…その…」

食べていいのかわからないんだよ‼

と、キレるわけにもいかない。 ほんとは今すぐ逃げ出したかったけど、そんな失礼な態度取るわけにもいかないので、渋々この場で弁当を食べることに。

「………い、いただきます…」

気まずい雰囲気の中、弁当を口に運ぶ。
生徒会長も特に話しかけてくるわけでもなかったので、黙々と弁当を食べ続ける。

「ウ~…」

まだ生徒会長に向かって唸っている佐助。
さすがに失礼かなって思って、佐助をなだめる。

「佐助…」

警戒を解くように頭を撫でてやると、やっと佐助は唸るのを止めた。

「……すみません…警戒心が強い子で…」

まあ、たぶん…佐助がここまで威嚇するのは、あのリンチの一件があったからなんだろうけど…
佐助はわかってるんだろう。 生徒会長が関わっていたこと。

「謝る必要はない。 主人を守ろうとするのは、当然のことだ。」

あ、あれ…? そんなに怒ってない…?
絶対機嫌を悪くしてると思ったんだけど…

「それにしても…こんなに真剣にお前のことを守ろうとするなんて、大切に育てられた証だな。」

そう言って、生徒会長は……

ほんの少し…少しだけ、優しく微笑んだ。

それは、今まで見たことのない表情で…いつも無表情で無愛想なのに、こんなに優しい笑みを浮かべるなんて、誰が想像できただろう?

俺は、びっくりし過ぎてポカーンってなっちゃって…それは佐助も同じだった。

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