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BL~中編・長編集2~

第15章 ~ほんとに好きなのは…?~

それからというもの…………

「今日は遅かったな。」

生徒会長と昼休みを過ごすのが日課になってしまった。
最初は気まずくて仕方なかったけど、話しているうちに平気になってきて……

「廊下で先生に捕まっちゃって…」

普通に会話できるようにまでなった。

「いただきます。」

いつものように、佐助の相手をしている先輩を横目に弁当を広げる。

黙々と食べながら、俺はずっと気になっていたことを聞いてみることにした。

「生徒会長は、お昼食べないんですか?」

生徒会長と一緒に昼休みを過ごしていて、俺はまだこの人がご飯を食べているのを見たことがなかった。
莉央をお昼に誘ってたくらいだし、もともとお昼を食べないってわけではなさそうなんだけど…

「最近、俺とここで過ごしてるから学食行ってないですよね?」

「………」

俺の質問に…生徒会長は、少し不機嫌になった。

え? 俺、何かまずいこと聞いたか?

「お前は、俺と一緒にいるのが嫌か?」

「…え?」

一瞬、生徒会長の言葉が理解できなかった。 だって、俺の質問の答えとは全然関係ないことを聞いてきたから。

「俺と一緒にいるのが嫌だから、学食に行かなくていいのか聞いてきたんだろう?」

俺の理解が追いつくように、言葉を補足してくれた生徒会長。
なるほど。 そういう考えに至ったわけか。

「あははっ‼︎」

「……何故笑う?」

子供みたいにふてくされている生徒会長が可愛く思えて、俺は我慢できずに吹き出してしまった。

「嫌だなんて、思うわけないじゃないですか。 嫌だと思ってたら、俺、全力で生徒会長のこと避けてますよ。」

ほんと、イメージと全然違うな…この人は。 もっと、冷徹な人だと思ってたのに。

普段の生徒会長からは想像もできない一面を見れて、俺はなんだか嬉しかった。

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