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BL~中編・長編集2~

第15章 ~ほんとに好きなのは…?~

「今日のおかずは?」

「ピーマンの肉詰めと卵焼きと…あと、焼き鮭です。」

そう答えながら、生徒会長の分の弁当を渡す。
ピーマンが入っていると聞いて、嫌そうな顔をした生徒会長。

「ほら、好き嫌いしないで下さい。 ピーマンの肉詰めは、そんなにピーマン味しませんから。」

「………いただきます。」

生徒会長に弁当を作るようになってきてから、早二週間。
なんとなくだけど、この人の好き嫌いがわかるようになってきた。

「…ん。 ピーマンの味がほとんどしない。」

「そのくらい薄ければ食べれるでしょう?」

野菜よりも断然お肉の方が好きで、ピーマンや人参、トマトなど、子どもが苦手な野菜が嫌い。

「相変わらず、卵焼き美味いな。」

「お褒めいただき、光栄です。」

生徒会長は、俺が作る卵焼きを相当気に入ったようで、毎日弁当に入れてくるようリクエストを受けた。

「明日は何がいいですか?」

そうそう。 生徒会長に弁当を作ってくるようになってから、変わったことがある。

「肉。」

「毎日、そう言ってません?」

一つは、以前のような恐怖心がなくなったこと。
弁当を食べたり、佐助と遊んだりと一緒に過ごしているうちに、この人のことを怖いと思うことがなくなった。

「じゃあ、明日は人参の肉巻きにしますね。」

「人参は入れるなよ。」

むしろ、子どもみたいなところもあって可愛いとすら思う。

「ふふふ。 ダメですよ。 子どもみたいな我が儘言わないで下さい。」

そして、もう一つ変わったことがある。

「…………」

「子どもみたい」と言われて、ムッとした表情をした生徒会長は、俺の頬に手を伸ばし、ついていたご飯粒を取りながら得意気に微笑み……

「どっちがお子様だ。 慌てて食べなくても、弁当は逃げないぞ。」

そのまま、パクっとご飯粒を食べてしまった。

「…っ…!?」

羞恥心が一気に込み上げてきて、顔が熱くなるのが自分でもわかった。
それは、頬にご飯粒がついていたことに対するものなのか、それとも…………

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