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BL~中編・長編集2~

第15章 ~ほんとに好きなのは…?~

「あー。 すっかり忘れてた。」

呼び出したって、一体どうして……莉央から生徒会長に接触しようとするなんて、今までなかったのに。

「莉央、呼び出したって…」

「んー…ちょっとね……大事な話があるから。」

「大事な話?」

なんでだろう。 心がざわざわする。

「他の人には聞かれたくないんだよね。 大智には、後でちゃんと説明するから。」

「ぁっ……」

呼び止める隙もなく、莉央は教室を出て行ってしまった。

人には聞かれたくないような話って、何?
もしかして…莉央は生徒会長のこと……

「…………」

きっとそうだよな。 生徒会長、あんなにカッコいいんだし。 前から莉央にアタックしてたし、やっと努力が実を結んだんだろうな。
莉央と両思いになったなら、俺とお昼ご飯を食べることも……

「…っ…」

そう考えたら、「ズキン」と胸が痛んだ。

あぁ……俺………生徒会長のこと……生徒会長と過ごすあの時間が、好きだったんだ。
莉央と一緒にいれなくて寂しかった気持ちを忘れてしまうほどに。

「ははっ…」

自分をリンチした相手を好きになるなんて、俺ってどうかしてるよな。
だけど、そんなこと関係ないくらい、生徒会長のこと……

「……俺、馬鹿だ…」

最初から、わかっていたのに。 生徒会長が好きなのは、莉央なんだって。
それなのに、どうして……

「っ……透先輩ッ…………」
















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