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BL~中編・長編集2~

第15章 ~ほんとに好きなのは…?~

「貼ってやるから、じっとしてろよ。」

そう言って、生徒会長は俺のお腹や背中など、蹴られたりした場所に湿布貼っていってくれた。

「汚れた制服はクリーニングに出しておくから、これでも着て休んでろ。 残りの授業が終わったら、戻ってくるから。」

「え、あのっ…‼」

湿布を貼り終え、俺にシャツを渡した生徒会長は、止める隙もなく出ていってしまった。

制服持って行かれちゃったし…勝手にどっか行ったら、生徒会長に怒られそうだし、お言葉に甘えさせてもらうか?

っていうか、後でクリーニング代とか払わないと。

「…………」

生徒会長……助けに来てくれた…俺なんかのために。

俺、生徒会長のこと……………






「ん………」

「目が覚めたか?」

「!?」

その声に、勢いよく起き上がる。

「ぁ…」

視線の先には、椅子に座って本を読んでいる生徒会長の姿が。
それを見て、安心している自分がいた。

「具合はどうだ?」

読んでいた本を閉じ、ベッドに腰かけてそう尋ねてきた生徒会長。

「あ、はい…もう大丈夫です。」

早めに処置したおかげか、特に痛むこともない。

「俺、昔から体だけは頑丈なんですよ。」

「一応見せてみろ。」

生徒会長は、先ほど貼った湿布を一枚一枚丁寧に剥がし、俺からは見えない背中に傷が残ったりしていないかチェックし始めた。

「少し痣になってるな。」

「でも、そんなに痛くないし…すぐに治りますよ。」

背中のチェックを終え、俺から少し離れた生徒会長。
新しい湿布でも取って来てくれるのかと思ったら…

「っ!?」

正面にやってきて、ベッドに押し倒された。

「なっ…」

「で、なんで泣いたんだ?」

「!?」

い、今この状態でそれを聞くか!⁉

どうやら、生徒会長は俺が泣いていた理由を聞くことを諦めたわけではなかったらしい。 ただ、さっきは治療が先と判断しただけだったようだ。

「言ってみろ。 怒らないから。」

「…ッ……」

泣いた理由を話したら、絶対に怒られると思っていたけど……
生徒会長の言葉に、俺はゆっくりと口を開いた。

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