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BL~中編・長編集2~

第15章 ~ほんとに好きなのは…?~

「ファンクラブの奴に言われたんです。 『今日のこれだって、あの方の命令だし。 君には飽きたんだってさ。』って……」

「あいつ……そんなこと言ったのか?」

俺が黙って頷くと、生徒会長の機嫌が悪くなったのがわかった。 ファンクラブの奴が勝手なことを言ったことに怒っているのか、俺がそれを簡単に信じたことに怒っているのかはわからなかったけど。

「生徒会長が見せてくれた笑顔も、俺が作った弁当を美味しいって言ってくれたことも嘘だったのかって思ったら……泣いてました。」

生徒会長の顔を見ることができなくて、顔を背ける。
どんな表情をしているのか……怖くて見ることなんてできない。

「なんで?」

「……ぇ?」

なんで?って……なにが?

不思議に思って生徒会長を見ると、生徒会長は怒ってなんかいなくて…

「泣いた理由はそれだけか?」

何故か、少し嬉しそうだった。

どうして――?

「……っ…お、俺はッ…生徒会長と過ごすあの時間が好きだったのに、生徒会長はそう思ってくれてなかったんだなって思ったら、なんか……無性に悲しくなって……」

「なんで?」

なんで……?

俺は、その時ようやく気づいたんだ。 生徒会長が、俺に何を言わせようとしているのかということに。

「っ……そ、れはッ…」

本当に、この気持ちを伝えてもいいのだろうか? 生徒会長は、莉央と…

「それは…?」

俺の悩みを吹き飛ばすくらいの、甘くて優しい声。
もう、顔が真っ赤になってるのが自分でもわかるくらい、顔が熱い。 沸騰しそうだ。

「生徒…会長がっ…」

あまりの恥ずかしさに、腕で顔を隠す。 自分の気持ちを伝えることが、こんなに恥ずかしくて緊張するものだなんて知らなかった。

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